毛並み

時間はたっぷりあるはずなのに、なぜかいそいでいる気がする。いそがせているのは自分なのだけど。見よ、この毛並みを、肋骨を。

春はあけぼの

書くことくらい話すことがあればいいのに、指先ではぺちゃくちゃしゃべるのに、あの子としゃべりたいだけなんやけどな。はっくしゅん。

忘れる

自分が忘れるの得意なので、無意識にひとにもそれを期待しているところがあります。

Is that not my job?

大自然にあこがれているくせして知らない土地ではデパートに入ってようやく息をつくようなひょろひょろのメンタルでもって、ひとり旅に行くと決めたはいいけれど出発の前の晩ははげしい後悔とひどい緊張でねむれない。そんな冒険に出かけないでいつものようにいつもの友と東京でコーヒー飲んだり映画観たりしてたらいいじゃない。それってものすごく豊かでたのしいことじゃない。ああ、平和が恋しい平和が。なぜわざわざ大金はたいてこんな不安な思いをしてまで行かなくてはならぬのか。はあ、ばかだばかだ。そんなことなんべんくりかえしたって、やはりまたひとりで旅に出ずにはおれないのだからふしぎだ。

マッターホルン

こんなけ短い人生であるのだから行ける場所は有限、住める場所は有限、会えるひとは有限、食べられるものは有限、使えるお金は有限、かわいい女の子は有限、いかした男の子は有限、髪の長さは有限、爪の長さは有限、声のとどくの有限、読める本は有限、観られる映画は有限、背の伸びるの有限、リズムに乗るのは無限、あなたとのおしゃべり無限、キリンの視界は無限、体重増加は無限、欲しいものは無限、行きたい場所は無限、どこまででも行けそうな気がする無限大。