2012-11-12

FOR FREEDOM

西巣鴨のカビ臭い暗闇(実際は糞でできたカーペットの部屋ということであった)で羊男に変身してからというもの、ステップを踏むことだけを考えている。ひさしぶりに開いてみたHMの文章はやはりキザそのもの、キザを固めてすまし顔で額に入れ飾ったようだった。たとえば適当に目に入った一文でさえ「彼女は雨ふりのようにどこかから来て、どこかに消えてしまったのだ」という具合。雨ふり。きょうはたしかに雨がふっていた。寝たり起きたり一日中変な気分。老人のように取り残されている。かぶを豆板醤と醤油と蜂蜜で煮込み、少しだけ伊勢丹へ出かけた。