2009-11-30
こんな夜に発車できないなんて
店で飲んでいる。たくさん飲んだのであなたはトイレへ行きたくなる。「ちょっと失礼」あなたはテーブルを中座する。トイレの場所を店員に聞くなり自力で探すなりして、あなたは用を済ませる。そして手を洗う際になんとはなしに鏡を見ると、見たことのない人間が映っている。朦朧とした頭では、鏡に映った自分を自分自身として認識することができないのだ。知らない人間として自分を見るその目は、驚きのあまり、たいてい見開かれている。だからというわけではないが、最近は自分の中と外をわけて考えるようになった。からだは入れものでしかない。この「ものを考えるわたし」は、からだとは別のところにいる。わたしはこのからだをちょっとの間だけ借りているだけ。お望みならもっと伸ばすことも、途中で短くすることもできると契約時に言われたので、とりあえず88年リースにした。なぜかというとキャンペーンをやっていたから。末広がりで縁起がいいのだそうだ。めんどくさかったのでもうそれでいいやと思ってそれにした。キャンペーンのおまけにと、なんかへんなぬいぐるみをもらった。